不安が募る学級開き
「大学生活を終えて、教師として社会に出ました。」
このように初任教師として、子どものたちの前に立ち振る舞いをして数日が経過したという方がいらっしゃるのではないでしょうか。
1年前の自分もそうでした。いきなり子どもに、
「先生!」
と呼ばれ、戸惑いがあったことを覚えています。
ついこの前まで、大学生だったのに、教師として子どもたちの前に立つことに不安を抱えている方も多いでしょう。
何をすればよいのかわからない。
何を準備したらよいのかわからない。
私自身もそうでした。特に、この教師生活が始まって間もないこの時期は不安が募っていました。
実際の教師生活は…
では、実際の初任としての教師生活はどのようなものなのでしょうか?
はい、結論から言いますと、1年間何をしているかわからないまま過ごします(笑)
これが初任として1年間小学校教師をやってきた私の正直な感想です。
日々の授業、家庭訪問、懇談会、運動会等の行事、書類作成、電話対応、農作業、渉外、掃除、会場設営、受付対応、雑務などなど…
やることが多すぎて、何をやってきたか脳が追い付いていきませんでした(笑)
では、そんな夏休みの宿題の時のような、やることが多すぎて不安だけが募り、行動に移すことができない状態、
ここでは、夏休み宿題症候群(Natsuyasumi Shukudai Shokogun)、略してNSSに陥らないために何を準備すればよいか考えます。
4月の学級開きで準備すべき3つのこと
今年の暦でいけば、おそらくほとんどの教師は4月5日に初日を迎えることになりました。
私の時は、3日の準備期間でしたが、今年はさらに短い2日しかありませんでした。
そして、あっという間に学級開きです。
では、この4月の学級開きの時期に何を準備すればよいのでしょうか?
私が考える初任教師がスタートダッシュするために必要だと思う準備は以下の3つです。
- 自己紹介の準備
- ルールの準備
- 道具の準備
では、詳しく見ていきましょう。
1.自己紹介の準備
1つ目に自己紹介の準備です。
自己紹介と言っても、ここでは、2つの意味があります。
- 自分はどんな人間なのか?
- 自分はどんなクラスにしたいのか?
この2つを子どもたちにどんどん自己開示していきましょう。
例えば、私なら、
1.自分はどんな人間なのか?
私は、
- サッカーが好き/得意
- 走るのが速い
- アウトドア(キャンプ/温泉/登山/釣りなど)が好き
- 旅が好き(日本全国一周したときの写真を先日社会科の都道府県の授業で見せました笑)
- 笑顔が世界一(今のところ自称)
- 誰とでもすぐ仲良くできる
- 若い(子どもたちには君たちと同じ平成生まれだからとよく言っています笑)
- 体が異常に堅い
- キノコが苦手
- 不器用
ざっとこんなところをこの4月に子どもたちに向けて自然と自己開示していたと思います。
まずは、自分が何者なのか知ってもらいましょう。
人は「何を」ではなく、「誰に」で話を聞くことが多いです。
ぜひ、この人から子どもたちが話を聞きたいと思えるような存在になっていきましょう。
ポイントは、自分の良いところだけでなく、ダメな部分も自己開示していくことがおすすめです。
そうすると、先生もダメなところがあるんだと、親近感をもってもらえます。
ぜひ、自分のことを積極的に子どもたちに伝えていきましょう。
2.自分はどんなクラスにしたいのか?
例えば、私なら、
去年は、「えがおがあふれるクラスにしたい!」
と1年間ひたすら言い続けました。
先生マークも笑顔のマークにしました。
もう笑顔の大切さを徹底的に言い続けました(笑)
写真は初日に子どもたちに向けて書いたメッセージです。
何でもいいんです。
自分が1年間子どもたちに大切にしてもらいたいことを何か1つ決めてクラスの子どもたちに伝えていきましょう。
ポイントは1年間言い続けることができるかどうかです。続かなそうだったらそれはやめたほうがいいです。
2.ルールの準備
2つ目にルールの準備です。
ルールといっても、たくさんのルールが学校やクラスには存在します。
全てのルールをここで細かく「ああしろ」、「こうしろ」とここで書くつもりはありません。
ここでは、「ルールの可視化」を大事にしてほしいと思います。
給食当番や掃除当番、係、話し方、聞き方、声の大きさなどについて、子どもたちに常にルールを見えるようにしておきます。
言葉だけでは、子どもになかなかルールが入っていかないので、決まったルールは子どもたちがいつでも見えるようにしておきます。
そして、子どもたちにそのルールが完全に身についたなと感じたら、ルールの掲示物をとればよいのです。
大事なポイントは、ルールの徹底です。
ルールを徹底していかないと子どもたちは勝手に行動し始めます。
その規律をはっきりさせるために、ルールを可視化することをおすすめしています。
3.道具の準備
3つ目に道具の準備です。
道具ってどういこと?と思った方がいるかと思いますが、教室の道具についてです。
初任者が最初は持っていないけど、あったほうがよいと思われるものを載せておきました。特に学級費では買えないものを中心に集めました。
参考にしてください。
- バインダー
- ボールペン
- ファイル
- マグネットシート
-
穴あけパンチ
- プロッキー
- ホワイトボード
- 収納ボックス
- セロテープ
- のり
- 修正液
- ホイッスル
- スタンプ
忙しい日々の中で大事な教師としての心構え
初任教師がスタートダッシュするための3つの大事な準備ということをここまで書いてきました。
もちろん、この3つの準備は大切です。しかし、私がここで言いたいことは、この3つの準備を通して、「自分の心」と「教室の環境」を整えることが重要だということです。
いくら自分が落ち着いていても、教室が荒れていたら、子どもが荒れていたら、それは良い学級経営ではありません。
いくら教室が落ち着いていても、いくら子どもが落ち着いていても、自分の心が荒れていたら、それは良い学級経営ではありません。
自分と子どもと教室が落ち着くことが大切です。
ぜひ、自分も子どもも心に余裕をもって毎日を過ごしていきたいものです。